ペンフォールズ最新ヴィンテージ
INDEX
ペンフォールズ最新ヴィンテージ
トピックス
2022年に続き、2023年も来日したシニア・ワインメーカーのステファニー・ダットンさん。ステファニーさんのワイン造りの責務は、現在オーストラリアだけではなく北半球にも広がり、ペンフォールズのカリフォルニアのポートフォリオにも重要な役割を担っています。お披露目では、ステファニーさんからの説明を聞きながら、コレクション2023の主要なワインのテイスティングをすることができました。その中から気になるトピックスをご紹介します。
100点を獲得したオーストラリア シャルドネの魅力 ヤッターナ
オーストラリアのシャルドネは、長らく色が濃く、バターの特徴があり、樽の効いた凝縮度の高いスタイルで造られてきました。反動で、15年ほど前から、線の細い熟度の足りないワインが出回るようになり、そして現在、振り子はちょうどよいところへ戻ってきたのです。果実の熟度がありバランスに優れた、瓶熟成が可能なワインが造られています。ヤッターナの2021年ヴィンテージは、オーストラリアワインの権威であるアンドリュー・カイヤード マスター・オブ・ワインが100点をつけました。100点を獲得したオーストラリアの白ワインは2例のみという快挙です。オーストラリアのシャルドネは、全世界で見ても、より完成度の高いワインへと進化しています。(写真:タスマニアのシャルドネの畑)
ペンフォールズでは、最高品質のブドウを求めて、ブドウの栽培地域も広げています。ヤッターナには、冷涼な気候の産地が選ばれており、近年タスマニアのブドウの比率が上がっています。2021年ヴィンテージは、タスマニアが80%、次いでタンバランバとアデレード・ヒルズです。
ヤッターナは、ペンフォールズのグランジに匹敵する白ワインを造るというプロジェクトのもと、144回ものトライアルを経て1998年に誕生しました(1995年ヴィンテージ)。ペンフォールズのシャルドネは進化し続け、2011年にはIWCの「Best White Wine in the World」を受賞するなど、多くの賞を獲得するようになりました。ヤッターナも、20年後には、100点近いスコアを獲得する常連となり、この2021年ヴィンテージに至ります。赤ワインの名声の影に隠れていたペンフォールズの白ワインは、今同様の名声を獲得し、ヤッターナは偉大なブルゴーニュに匹敵するワインとして認められるようになりました。(写真:チーフ・ワインメーカーのピーター・ゲイゴ氏と白ワインメーカーのキム・シュレーター氏)
人気急上昇中「カベルネのグランジ」ビン707
ペンフォールズのハウススタイルをカベルネ・ソーヴィニヨンを通して表現したのが、ビン707です。「カベルネのグランジ」とも呼ばれいてます。グランジ同様最高ランクのブドウから造られ、ビン707は品質とスタイルに満足がいくカベルネ・ソーヴィニヨンが収穫できたヴィンテージにしか造られません。生産量が少ない割に需要は高く、ペンフォールズの中で最も希少性の高いワインの一つです。チーフ・ワインメーカーのピーター・ゲイゴ氏によれば、近年、ビン707への関心が世界的に高まっており、ファンが急増中とのこと。評論家によっては、ヴィンテージの違いはありますが、グランジより高いポイントがつくことも。カベルネ・ソーヴィニヨンで造られているにも関わらず、青さは全くなく、その味わいはシラーズと間違われるようななめらかさと緻密さ、果実味があり、それでいて骨格があり繊細です。飲むと、その美しい味わいの魅力に引き込まれます。ファーストヴィンテージの1964年当初は、バロッサ・ヴァレーのカリムナ・ヴィンヤードのブドウのみで造られていましたが、現在はクナワラなど他の地域のブドウも使用しています。(写真:クナワラのカベルネ・ソーヴィニヨンの畑)
樽の使い方に見るグランジ/RWT/セント・アンリ
グランジは最高ランクのブドウから造られますが、RWT、セント・アンリにも最高品質の選ばれたブドウが使用されます。いずれもシラーズにフォーカスしたワインですが、これら3つのワインのスタイルは驚くほど異なります。それぞれに合ったスタイルのブドウが使用されるとともに、熟成の樽の使い方が大きく異なります。グランジはアメリカンオークの新樽100%、RWTはフレンチオークでほぼ新樽(ヴィンテージにより異なります)、セント・アンリは古い大樽です。結果、グランジは圧倒的な凝縮感があり力強く、RWTはアロマの表現が豊かでリッチで華やか、セント・アンリはシルクのようなテクスチャーを持つフィネスのあるワインに仕上がります。それでもハウススタイルは明確に存在しているのが不思議です。ぜひ一度比べてみてください。ちなみに、1980年代はグランジとセント・アンリは同じような価格帯だったとか。現在のお値段を考えると、セント・アンリはかなりお得!味わいでも、セント・アンリを好きな人は多いそうです。
ペンフォールズのワインメーカーとハウススタイル
ペンフォールズは2024年に180周年を迎えます。長い歴史の中でチーフワインメーカーは4人のみ。ハウススタイルが守り抜かれています。一方、現在ペンフォールズのワインメーカーは9人のチーム。それぞれ、赤ワインメーカー、白ワインメーカーといった担当があります。何人ものワインメーカーで、さまざまなワインを造りながら、共通したハウススタイルがワインに備わっているのには驚かされます。いつも評論家の評価が高いペンフォールズのワインですが、ステファニーさんによれば、ワインメーカーとしては評価も気にならないではないけれど、ポイントをとるためではなく最高のものを造りたいと思っている、ハウススタイルを大切にして、先代たちの伝統を受け止め尊重し、少しでも成長したものを造りたいとのこと。品種やヴィンテージの個性を持ちつつ、ハウススタイルを表現するワイン。兄弟姉妹で共通点は多くあるが個々の性格は違うというのと似ているのだそうです。(写真:ペンフォールズのワインメーカーとスタッフ)
ペンフォールズではハウススタイルがとても重要です。でも、ハウススタイルとはどういうスタイルなのか書いてあるわけではなく、わかりにくいですよね。とは言え飲めばわかるのですが、今回ステファニーさんがヒントをくれました。ステファニーさんの考えるペンフォールズのハウススタイルとは、「ブラックベリーやプラムなどのダークフルーツ、チョコレート、コーヒーなどの風味があり、クリーミーで、口の中で均一性があり、熟成のポテンシャルが高い」ということでした。いずれのワインにも、どんなにリッチでもなめらかさや品のよさ、完成度の高さを感じるので、納得です。(写真:コレクション2023のテイスティング)
ワインのご紹介
この度入荷した最新ヴィンテージをご紹介します。コレクション2023では、グランジは2019年、セント・アンリは2020年、その他は2021年ヴィンテージです。いずれのワインもワイン専門家から高得点を獲得しています。
【評価ポイント表記】
AC:アンドリュー・カイヤードMW、TS:タイソン・ステルツァー、DC:デカンター
(記載以外の評価誌の評価も多数。各商品ページにてご覧ください。)
-
100点獲得!偉大なブルゴーニュに匹敵するシャルドネ
ペンフォールズ ヤッターナ シャルドネ 2021
30,250円(税込)
オーストラリアワインの権威であるアンドリュー・カイヤードMWが100点の評価を与え、他の著名ワイン評価誌でも軒並み高得点を獲得。オーストラリアの白ワインで100点を獲得したのは2つのみ(2023年末)!冷涼な地区のシャルドネを使用し、2021年ヴィンテージは80%がタスマニアから。十分な果実味がありつつドライ。厚みがあり、美しくしっかりした酸とのバランスが抜群。新樽70%ながら、過度な印象はなくきれいに溶け込んでいます。「白のグランジ」と呼ばれるのにふさわしい出来栄え。偉大なブルゴーニュに匹敵するフィネスを持ち併せています。ブルゴーニュがお好きな方にもぜひお試しいただきたいワインです。
- 産地
- GI サウス・イースタン・オーストラリア
- 畑
- タスマニア、タンバランバ、アデレード・ヒルズ
- 品種
- シャルドネ
- タイプ
- 白/辛口
- 評価
- アンドリュー・カイヤードMW100点、ワイン・アドヴォケイト98点
商品ページはこちら 商品を見る -
希少性の高い「カベルネのグランジ」
ペンフォールズ ビン 707 カベルネ・ソーヴィニヨン 2021
99,000円(税込)
カベルネ・ソーヴィニヨンの優れたヴィンテージにしか造られない、「カベルネのグランジ」とも呼ばれるワイン。生産量を需要が上回り、その希少性から、シニア・ワインメーカーのステファニーさんもまず1番最初に購入したワインとのこと。2021年は半分以上クナワラのブドウが使われています。しっかりした酸とストラクチャーがありカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴を持ちながらも、青さは全くなく、黒系の果実の風味ですが甘酸っぱさを感じるようなピュアな果実味と、緻密さ、なめらかさがあり、一瞬シラーズを連想させます。艶やかでとても美しいカベルネ・ソーヴィニヨンです。
- 産地
- GI サウス・オーストラリア
- 畑
- クナワラ、バロッサ・ヴァレー、ラットンブリー
- 品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- タイプ
- 赤/フルボディ
- 評価
- タイソン・ステルツァー99点、アンドリュー・カイヤードMW97点
商品ページはこちら 商品を見る -
古い大樽で熟成する幽玄で気品に満ちたワイン
ペンフォールズ セント・アンリ シラーズ 2020
18,150円(税込)
セント・アンリは、新樽100%で熟成するグランジと対照的に、古い大樽を使いオークの影響を受けません。そのため、ワインの品質は、果実の品質とワインメーカーの腕に委ねられています。同じ品種から造られているとは思えない程、そのスタイルはグランジとは異なります。シルキーでなめらかなテクスチャー、きれいな酸味とミネラルのニュアンス、明るい果実の特徴があります。幽玄で気品があり、どこか伝統国のワインを思わせます。最高品質のブドウが使われていて、この価格はとてもリーズナブル。ファンの多いワインです。
- 産地
- GI サウス・オーストラリア
- 畑
- マクラーレン・ヴェイル、バロッサ・ヴァレー、クレア・ヴァレー
- 品種
- シラーズ
- タイプ
- 赤/フルボディ
- 評価
- アンドリュー・カイヤードMW96点、デカンター95点
商品ページはこちら 商品を見る -
ペンフォールズのブレンド哲学の究極の表現
ペンフォールズ グランジ 2019
145,200円(税込)
ペンフォールズを世界最高峰ワイナリーの一つへ押し上げた立役者グランジ。パワフルで凝縮感がありながらクリーミーで洗練された味わいは、コレクターズアイテムであり投機の対象となるほど世界屈指の名声を得ています。マルチ・ヴィンヤード、マルチ・リージョンによる一貫した品質主義のもと、最高ランクのブドウだけを使用し、ヴィンテージの特徴を持ちながらもハウススタイルが表現されたワインが造られます。パワーのあるブドウとのバランスをとるために、アメリカンオークの新樽が100%使われます。2019年ヴィンテージは、バロッサ・ヴァレーのブドウが82%、マクラーレン・ヴエイルのブドウが10%使われています。瞬時にグランジとわかる味わいで、非常にリッチで、100%の新樽が気にならないほど凝縮感のある果実味があり、なめらかでシルキーなヴィンテージです。例年通り高評価を得ており、辛口で知られるイギリスのワイン評論家ジャンシス・ロビンソンMWが20点中19点をつけているのも注目に値します。
- 産地
- GI サウス・オーストラリア
- 畑
- バロッサ・ヴァレー、マクラーレン・ヴェイル、クナワラ、クレア・ヴァレー
- 品種
- シラーズ 97%、カベルネ・ソーヴィニヨン 3%
- タイプ
- 赤/フルボディ
- 評価
- アンドリュー・カイヤードMW98+点、ワイン・スペクテイター98点
商品ページはこちら 商品を見る -
バロッサ・ヴァレーのシラーズをフレンチオークで熟成
ペンフォールズ アール・ダブリュ・ティー バロッサ・ヴァレー シラーズ 2021
30,250円(税込)
RWTは、アロマの表現が華やかでとても贅沢な味わいのシラーズです。バロッサ・ヴァレーのシラーズだけを使用していることも特徴の一つ。バロッサ・ヴァレーのシラーズの神髄を高いレベルで楽しむことができます。また、100%フレンチオークを使用しており、アメリカンオークを使用するグランジとの対比も興味深いです。新樽比率はヴィンテージによりますが、高い比率で使われることが多く、2021年は80%。チョコレートやコーヒーなどの風味が顕著でリッチですがきれいな印象です。
- 産地
- GI バロッサ・ヴァレー
- 畑
- バロッサ・ヴァレー
- 品種
- シラーズ
- タイプ
- 赤/フルボディ
- 評価
- アンドリュー・カイヤードMW98点、ワイン・アドヴォケイト95点
商品ページはこちら 商品を見る -
人気の「ベイビー・グランンジ」
ペンフォールズ ビン 389 カベルネ・シラーズ 2021
13,200円(税込)
グランジが前年使用した樽を使用するため「ベイビー・グランジ」の愛称で親しまれ、グランジとつながりの深いビン389ですが、品種構成は異なり、カベルネ・ソーヴィニヨンが少し多く使われています。ダークフルーツ、モカ、チョコレートの風味としっかりした骨格があります。オーストラリアでは、最も収集されているワインと言われ、コレクターのみならずご家庭やレストランのセラーにもほぼ見ることができるそうです。グランジとビン707で使われなかったブドウが使われ、20~30年の熟成が可能なワインでこの価格はなかなかありません。贈り物にもぴったりです。
- 産地
- GI サウス・オーストラリア
- 畑
- マクラーレン・ヴェイル、クナワラ、バロッサ・ヴァレー、
ラットンブリー、パッドサウェー
- 品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン 53%、シラーズ 47%
- タイプ
- 赤/フルボディ
- 評価
- アンドリュー・カイヤードMW96点、デカンター95点
商品ページはこちら 商品を見る -
カベルネを飲みたいときに選んでいただきたいワイン
ペンフォールズ ビン 407 カベルネ・ソーヴィニヨン 2021
15,400円(税込)
「カベルネのグランジ」と言われるビン707の弟分的な存在ですが、ビン707に比べ、よりカベルネ・ソーヴィニヨンの特徴が前面に出ている印象です。他のワイン同様マルチ・リージョンで複数地域のブドウが使用されていますが、テラロッサと言われる赤い肥沃な土壌を持つクナワラの特徴もよくでています。粉っぽいタンニンと赤いパプリカやレッドペッパーのスパイス感があり、ハーベイシャスなニュアンスもあります。カベルネ・ソーヴィニヨンのお手本とも言えるワインです。
- 産地
- GI サウス・オーストラリア
- 畑
- クナワラ、ラットンブリー、マクラーレン・ヴェイル、パッドサウェー、
バロッサ・ヴァレー、アデレード・ヒルズ
- 品種
- カベルネ・ソーヴィニヨン
- タイプ
- 赤/フルボディ
- 評価
- デカンター96点、ワイン・アドヴォケイト94点
商品ページはこちら 商品を見る